指導者証が出てきましたので
手本を見る精度と再現する精度
今になって思い返せば、やり始めの頃は全然手本を見ることが出来ていませんでした。どこに注意すれば上達するのかということが全くわかっていなかったのです。
ちょっと例えは違うかもしれませんが、初めて聞く言語が、言語とも思えないあの感覚、ただの音としか聞こえないというか。
文字もそうで、字形に興味がなかったあの頃は、たとえば「木」という漢字が、ただの木でしかない。
手本を見ても、「上手な木の文字」でしかなかったのです。
手本に見慣れて行くうちに、なんとなくその「木」を深く見られるようになってきました。
一画目と二画目はどのくらいの長さなのか。
三画目はなるほどきっちりと交わりから出ている、そしてこの角度で。
払いはこんな感じ。四画目もきっちりと交わりからだ。
払う時に止まっているような、止まってないような、うーんどちらだろう、というように。
そうすると次はそれを再現するということになりますが、それがなかなか上手くいかない。
自分の書いた字とどこが違うのか。
「あ、そうか。自分は交わりの出具合のバランスが違う。交わりから1ミリずれて書いちゃってた。」みたいに。
今度はゆっくりゆっくりそれを修正してみる。
ゆっくり書きすぎててにょろにょろしているけど、位置は合っていた。などと、再現していくことになりました。
癖のある字を変えたかったり、ペン習字を習い始めで上達を目指したかったりする人は、そこをヒントに練習されたらいいと思います。
この基本が、最初は全くわからないのです。
なぜ、違うんだろう。
1つ1つやっていくしか無くて、私は近道は無いと思いますし、近道というならそこが近道だと思います。
何度もやっていくうちに、その両方が磨かれて、再現出来るスピードが早くなります。
見て真似るだけで上達する!
そんな謳い文句の本がたくさん出ていますが、それははしょり過ぎで、嘘ではないけど、それが難しいのよって感じです。私はそうでしたし、今も難しいなと思っています。
このブログは、自分の趣味の記録であり、誰に教えるとかの目的のものではありませんが、ある程度中級だか上級かの差し掛かりに来てみて、思ったことをほんのちょっとアドバイス的に書いてみました。
いろいろ買いました。古本です。
絶版になっているものもあると知り、思い立って持っていないもので興味があるものを手に入れました。
俳句を書く 大変参考になりそうです。
一番嬉しかったのは、高田香雪先生の美しいボールペン字練習帳です。何と言っても高田先生の文字のファンなので、見つければ多少高くなっていても買ってしまうと思います。
パイロットペン習字通信講座受講終了完結編
もう3年も前の話になりました。
平成26年10月20日に、7段の認定証を発行していただいて、パイロットペン習字通信講座を終了しました。
5年間続けた講座でした。
初級→中級→上級と3年間、その後はランダムに課題を提出しておりました。
この講座を始める少し前から、この講座でいうB系統にあたる、芝風会のペン時代という競書誌購読をしており、この講座にその会に属する先生方が添削をしてくださることを知り、始めた講座でした。
最初に電話で問い合わせた時は
「硬筆書写検定1級をいずれ目指してみたいんですけど、この講座は対応していますか?」
みたいな内容だったと思います。
この講座、自分の字をとても上達させてくれましたし、その間に硬筆書写検定1級の合格という目標も達成しました。
5年間は大変充実していたのですが、モチベーションがマンネリ化したこともあり、7段取得してからしばらくして、認定証を発行してもらい終了する、ということに決めました。
今回、3年も経ってこの完結編を書こうと思ったのは平成29年8月になり、新たにパイロットペン習字通信講座を、1から再開してみようと思い立ったからです。
新たな始まりは、級位の取得が目的ではなく、のんびりと続けること、添削をしていただくこと、他の方の作品を拝見すること、また同講座を受講されているTwitterの方々とも情報交換したいなってこと、そのあたりを目的にしたいと思っています。